外来看護師の役割~業務内容のやりがいは!?
この記事は、今現在外来以外の看護職をされている方で、この先外来看護師になろうか迷われている方向けに、外来看護師の業務内容についてご紹介します。
1、外来看護師の役割とは

外来は病院を訪れた患者さんが最初に診察を受ける場所です。地域に密着した評判の良い病院の外来には毎日本当に多くの患者さんが訪れます。そうしたたくさんの患者さんを限られた時間の中で全て診察できるよう、看護師は正確に処理・対応をしていかなければなりません。
ただ、病棟看護師との大きな違いは、患者さんと医療従事者が充分なコミュニケーションをとる時間がないことです。病棟の入院患者の場合は、患者は病院に長い時間滞在することで充分なコミュニケーションがとれますが、外来の場合は「3時間待ちの3分診療」と言われるように、患者も看護師も医師も常に時間に追われている環境となっています。
2.外来看護師の具体的な業務内容

ここではとある大学病院の内科外来看護師さんの1日の大まかなスケジュールを一例としてご紹介いたします。
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[▼とある内科外来看護師の1日]
- 8:30 朝礼(昨夜と早朝の救急外来のこと、本日の専門外来や予約検査、看護師長会の報告事項などの申し送り)
- 8:50 各診察室で使用する医療機器等を用意して医師を待つ。
- 9:00 外来受付開始
- 来院された患者さんの状態は常時把握する。
- 診察前に血圧測定や検温が必要な患者さんにはそれを行う。
- 気になる点があれば診察前にあらかじめ確認する。
- 糖尿病の血液検査の場合は朝食をとっていないことを必ず確認する。
- インフルエンザ等の感染症の疑いがある患者さんがいる場合はそれに応じた対処をする。看護師はマスクを着用する。
- 外来から緊急入院になる患者さんが出た場合は病棟までストレッチャーで患者さんを運び、病棟看護師へ申し送りをする。
- 12:00 昼食(忙しい日は午後2時を回って昼食をとることもある。)
- 14:00 午後の外来受付開始
- 午後も午前中と同様に診療補助業務を行う。もしくは医療安全の会議に出席したり看護研究の資料作りをする日もあります。
- 18:00 外来受付終了
- 18:30 後片付けその他。最後の患者の診療から後片付けが全て終わるまで残業が長引くこともあります。
- 帰宅
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3、外来看護師に向いている人は?

[▼外来看護師に向いている人の3つの特徴]
- ワークライフバランス重視の方
- やりがいや高給は二の次の方
- 患者に深入りせず、淡々と仕事をこなしたい方
外来看護師は基本的に夜勤がなく、日曜祝日に休める職場ですので、他の職場に比べて比較的ワークライフバランスをとりやすいと言えます。
また、基本事務作業メインですので患者とのコミュニケーションにやりがいを感じるなど看護業務にやりがいを求める方にはあまり向かないかもしれません。患者とあまり深くは関わらない職場なので、病棟勤務ほど精神的な負担は背負わなくて済みます。日々淡々と業務を遂行していきたい方に向いているでしょう。
4、新卒で外来看護師ってなれる?
新卒で外来看護師になることは全く問題ありませんし、そうした道をいかれる方は多いです。有床である病院の外来でも夜勤がほぼない点は外来人気の理由の1つです。
ただ、外来は患者と深く接することのない事務受付作業メインの職場ですので、看護職としてのキャリア構築を考えた時には、あまり長く続けるのはプラスに働かないことがあるので気を付けておきたいところです。
5、外来看護師の年収
外来看護師は常勤で年収400万円前後、非常勤で時給1,500円~2,000円程度だとされます。看護師の平均年収が470万円ほどであることを考えると、外来勤務というのは看護職の中では多少お給与が低くなると言えるでしょう。