看護師の仕事3K(9K)「きつい・汚い・危険(プラスα)」
看護師の仕事は昔から「3K」と呼ばれます。3Kとは「きつい」「汚い」「危険」のこと。しかし、近年は実際に病院で働く看護師さんの実感からその上をいく「9K」とも呼ばれます。9Kとは先の3つに加えて「給料が安い」「休暇がとれない」「薬に頼る」「婚期が遅い」「化粧がのらない」「規則が厳しい」の6つを加えたものです。この記事ではこれら9Kについて解説します。

1、看護師の「3K(9K)」とは
看護師の3K(9K)とは下記をいいます。最初の3つ「1、きつい」「2、汚い」「3、危険」が一般的な3Kで、残りの6つを含めて近年は9Kと呼ばれることも増えてきました。
- 1、きつい
- 立ち仕事である
- 患者さんの体位を変える重労働がある
- きつい言い方、サバサバしてる人が多い
・・・看護師の仕事は病院の場合主に病棟・外来・手術室などになり、基本的には立ち仕事が多くを占めています。病棟看護師は入院患者さんの体位を変える作業もあり、非常に力を要します。また、基本女性が大半を占める職種なので、時にきつい言い方がされたり、サバサバしてる人が多いのも女性の特徴と言えるでしょう。そうした点により、総じて看護師の仕事は「きつい」と言われます。
- 2、汚い・・・主に汚物を処理すること
- おむつ交換(病棟)
- 尿や便の排泄介助・適便
- 嘔吐する患者さんの処理
・・・高齢の寝たきりの患者さんなんかは毎夜おむつ交換、尿や便の排泄介助・適便が必要です。(適便=肛門に指を入れて便をかき出す処置。)そうした処置は基本男性患者には男性看護師が、女性患者には女性看護師が対応します。嘔吐する患者さんへの対処も必要です。そうした汚物への対処はやはり「汚い」仕事として一般的には敬遠されます。
- 3、危険
- 暴力の危険
- 感染リスク
- 医療事故の危険
・・・精神科などは患者さんに暴力を振るわれやすい環境と言えます。例えば急性アルコール中毒の人や認知症の人などは注意すべきとされます。また、看護の現場では血液、ドレーンの排液、尿、便、嘔吐物などの取り扱いがあります。
特に注射です。感染症にかかった患者さんに刺した針を万一自分に刺してしまったら取り返しが付かないことになる可能性があります。針刺し事故と呼ばれますが、針を針キャップから出し入れする際は、誤って自分の指に刺してしまわないよう特に注意しておかなければなりません。
点滴、薬の投与時に違う薬剤を投与してしまうなど。裁判沙汰になった例は過去たくさんあります。
- 4、給料が安い
・・・看護師はよく高給と言われますが、それは夜勤手当があってのこと。夜勤に多く入れなければ、看護師のお給料はよく居るOLのそれとそこまで変わりません。また、妊娠中や子育て中には夜勤に入るのは難しいものです。「きつい仕事量に見合うだけの給料ではない」というのが多くの現役看護師さんが思うところです。
- 5、休暇がとれない
・・・看護師は休暇がなかなかとれない職場もあります。休みの日も研修がある日もありますのでプライベートを充実させにくいという看護師さんの声もよく聞きます。しかしながら職場によっては、月の休みをまとめてとったり、有休と組み合わせることで旅行に行ったりすることもできます。
- 6、薬に頼る
・・・看護師になって薬を飲むことが増えた人は多く、「薬を手放せない」という声もよく聞きます。夜勤に多く入るほど不規則な生活リズムで体調崩しやすい面が当然のことながらあります。微熱時などには解熱剤を飲んで出勤する看護師の方は多いです。
- 7、婚期が遅い
・・・交際相手と休みが合わず付き合いが進まないことから結婚まで進めないというケースはよくあります。
- 8、化粧がのらない
・・・生活リズムの乱れを主な原因として肌荒れを起こしている看護師は多いです。当然にきびなどできることもあるので、皮膚科に通う看護師も多いです。
- 9、規則が厳しい
・・・規則に関しては、実際に看護師になって病院に入ると緩くなります。しかし看護学生時はかなり厳しいとされており、髪を染めたりなどのおしゃれもできません。身だしなみもしっかりする必要があります。
看護師の3K(9K)とは上記になります。でもやりがいはたくさんあるし、感じやすい。これが看護職の醍醐味と言えるでしょう。きつい仕事ではありますが、日々良くなっていく患者さんと接することで、多くのやりがいを感じることができます。
2、看護師に向いてる人

ここでは看護師に必要な資質についてご紹介します。看護師は
①体力がある
病院看護師は基本24時間体制を2交代制・もしくは3交代制シフトで回している形です。1回長時間の勤務を連日こなさなければなりませんし、大抵の病院は月数回夜勤にも入る必要があるので、体力勝負と言っても過言ではありません。
②チームワークを大事にできる
看護師は病院という職場で、医師、薬剤師、診療放射線技師、理学療法士など複数の専門家とチームプレーで患者の治療に当たります。そのため、チームワークはとても大切なものと言えます。
③向上心を忘れない
医療技術は日進月歩で向上しています。学校で学んだことはもちろん、勤めている病院での医療システムやそのやり方なども日々向上し得るものです。向上心を持つことは医療者全てに必要なことです。
④理解力・行動力がある
看護師は医師・歯科医師などの指示を受けて医療行為を実践します。患者に使う薬を例に考えると、薬の種類、使用方法や使用時間、使用する量などいくつもの要素があります。看護師はその指示を正確に理解して行動する力が求められます。
⑤文章力がある
看護師は毎日患者の状態や症状、実施した検査などの情報を看護記録に録ります。それをはじめ、患者の退院時・転院時のサマリー(患者が次の受け入れ先でスムーズに継続したケアが受けられるようにする書類。看護師が作成する。)などもあり、看護師の職場には記録物がたくさんあります。
そうした書類は全て多少の字のくせなどは仕方ないとしても、誰でも読み取れるくらいに丁寧に書き込み作成する必要があります。要件を簡潔にまとめる文章力が基本不可欠となります。